氷室作太夫家住居の保存活用を進める会 2024年度定時総会記念講演会
もう一つの氷室家住宅から考える
氷室作太夫家住居の保存活用
日 時:2024年9月8日(日)午後3時から4時45分
会 場:津島市文化会館 1階 研修室
住 所:愛知県津島市藤浪町3-89-10
協 力 費:会員 無料/会員外 1,000円
講演「茅ヶ崎の旧氷室家住宅のこと」
講師 水沼淑子(みずぬまよしこ)さん
関東学院大学名誉教授 工学博士
横浜市文化財保護審議会委員 茅ケ崎市景観まちづくり審議会委員などを歴任
著書に『近代日本の別荘建築』(単著・創元社)、『日本住居史』(共著・吉川弘文館)、『J.H.モーガン アメリカと日本を生きた建築家』(関東学院出版)など
神奈川県内の歴史的建造物の文化財指定・文化財登録・保存・活用に多く関わる
茅ヶ崎市在住
氷室作太夫家住居は、江戸時代に津島神社の社家(神職家)と御師を務めていた氷室作太夫家の住居と津島神社参詣人に饗応する施設を兼ねた建物です。津島には、かつて、このような「御師の家」が多数存在していたと考えられますが、明治時代になり社家制度と御師制度がなくなると、「御師の家」は減っていきました。その中で、氷室作太夫家住居は、建物の主要部分は竣工時の姿を大きく変えることなく、維持されてきました。
1989年、氷室家から津島市に建物と土地が寄付され、津島市は1990年、主屋、長屋、門、塀と中庭(主屋西側の庭)を有形文化財に指定しました。しかし、その後、建物の老朽化が進み、特に主屋の雨漏り、屋根や庇の破損、北面の破損、また、長屋東面の崩壊が進んでいます。
この状況に危機感を抱き、また、「御師の家」として貴重な文化遺産である氷室作太夫家住居の保存活用、さらにそれを進めながら、歴史まちづくり、観光、学術・文化・芸術の振興という視点から、多数の遺産が存在して潜在的ポテンシャルの高い津島市の中心市街地の活性化を検討し、実行していこうと、「氷室作太夫家住居の保存活用を進める会」を設立し、活動してきました。
2019年2月に、市民版保存活用計画として『ここから始まる「御師の家物語」 津島市指定文化財氷室作太夫家住居保存活用計画』を作成し、2020年11月には、倒壊の危機に瀕しているその遺構を復元・整備し、保存・再生、そして、まちづくりの資産として活用すべく議会に請願書を提出しました。請願が採択されたことを受けて、2021年度には、津島市が現況調査・耐震診断を実施しました。しかし、その後、津島市の動きは、また、止まってしまい、建物の傷みはさらに、進行していきました。
2024年度になって、津島市は、保存活用計画の策定に着手しています。市民版保存活用計画を作成してから、遅れること5年、ようやく重い腰を上げようとしています。
氷室作太夫家住居を津島市へ寄付された氷室捷爾(ひむろしょうじ)さんには、もう一つ寄付された氷室家住宅があります。茅ヶ崎市にある「旧氷室家住宅」です。1935年に建築された昭和初期の都市近郊における別荘開発の様相を伝える建物です。「旧氷室家住宅主屋」として、2018年に国の登録有形文化財に指定され、建物と併せて寄付された椿庭園と共に、公開されています。
茅ヶ崎の氷室家住宅の国登録有形文化財指定に関わられた水沼淑子さんにもう一つの氷室家住宅の保存活用の経緯などをお話しいただき、津島市の氷室作太夫家住居の保存活用を考えます。
●参加ご希望の方は、下記の申込先までご連絡をお願い致します。
Eメール:himurosakudayuu_susumerukai@yahoo.co.jp